【代表インタビュー前編】採用支援は“黒子”。だけど世の中を変える仕事~「顧客と共に創造する」イチグウが大事にしているもの
こんにちは。イチグウ株式会社 採用担当です。
イチグウは、代表取締役 星野雄大が2017年に創業した会社。「顧客と共に創造する」をビジョンに、企業の成長に貢献すべく、一貫して採用支援に取り組んできました。そして「第2創業期」を迎えた今、さらなるチャレンジに踏み出そうとしています。
どのような想いでイチグウを創業したのか、起業の経緯やイチグウの理念、カルチャーについて、代表の星野に語ってもらいました。
自分が魅力的だと思う人に近づく手段が「起業」だった
――まずは星野さんの経歴についてお聞かせください。
青山学院大学理工学部を卒業後、野村證券に入社。リテール部門に配属され、飛び込み営業やテレアポなどで新規顧客の開拓に取り組んでいました。
野村證券で1年3カ月間勤務した後、レバレジーズに転職し、人材エージェントとしてのキャリアをスタートします。上司に恵まれたこともあって、入社 1 年目で歴代の営業記録を塗り替え、全社MVPを獲得。支店の立ち上げなどにも携わり、マネージャー職までステップアップすることができました。
約3年間レバレジーズで働いた後、2017年にイチグウを創業し、今に至っています。
――理系の学部から証券営業というのは意外です。なぜファーストキャリアとして証券会社を選んだのでしょうか。
大学時代からぼんやりと起業したいと考えていたのですが、どうしたら起業できるのか、具体的な道筋がまったくわかりませんでした。
当時、起業するためには、「お金が世の中を循環する仕組みを理解すること」「圧倒的な営業力を身につけること」の2つが大事だと思ったので、お金の流れを学べる金融業界の中でも証券会社、その中でも特に厳しいと言われていた野村證券に入れば得られるものがあるのではと考えました。
――大学生のときから、ぼんやりとでも起業したいと考えていたんですね。
就職活動で自己分析をする中で、自分が尊敬できる人や魅力的だと感じる人の8割以上が起業家だと気づきました。「自分が魅力的だと思う人たちに近づくためには、リスクを取ってでもチャレンジする必要がある」と感じたことが、起業したいと思った背景です。
祖父が会社を立ち上げ、父がその跡を継いで会社経営をしていたので、起業という選択肢が身近だった影響もあったのかもしれません。
「いかに頼れる存在になれるか」を意識し、入社1年目でMVP獲得
――証券会社から人材エージェントへの転職には、どのような背景があったのでしょうか?
当初はまだ転職するつもりはなかったのですが、ベンチャー企業には興味を持っていました。知人経由で人材エージェントの方と会う機会があり、その方に「気になるベンチャー企業があるなら、チャレンジしてみてもいいんじゃない」と言われて、「それもそうかな」と思ったのです。
縁あってレバレジーズを紹介され、当時同社が掲げていた「関係者全員の幸福の追求」という理念に共感したこと、「組織として面白そうだな」と感じたことから入社を決めました。事業内容にこだわって転職を決めたわけではなかったので、人材紹介というビジネスモデルについては、入社してから理解を深めていきました。
――レバレジーズ入社1 年目で営業記録を塗り替えて、MVPを獲得できた要因は何だったと思いますか?
上司に恵まれていたことに加えて、「クライアントや求職者が困ったときにいかに頼れる存在、頼りたいと思える存在になれるか」を意識していたことが大きいと思います。
例えば、すぐに転職するつもりはない人たちとも親身になってコミュニケーションを取っていたら、半年後や1年後に成果として返ってくることが多くなり、一気に売上が伸びていいサイクルが生まれるようになりました。
クライアントからは「星野さんが推薦するのであればいい人なのでしょう!」と言ってもらえるまでの信頼関係も築けました。
目先の売上だけを見るなら、「問い合わせがあった人たちをいかに今月中に転職させるか」という話になりますが、それはビジネスとして健全ではありません。転職は人それぞれスピード感や価値観も違うので、1人ひとりに合わせてコミュニケーションを取るようにしていました。
人材ビジネスは“黒子”。だけど世の中を変える仕事
――起業にあたって、さまざまなビジネス領域がある中で、なぜ採用支援を選んだのですか?
野村証券にいたときから採用に対する課題意識があったんです。さまざまな企業に営業に出向いて会社経営の話をする中で、「人材不足」を耳にしていたので、日本の労働人口がどんどん減っていく中、「人材」は今後も企業の課題であり続けるだろうと感じていました。
また、レバレジーズで人材エージェントとしての経験を積むことができたので、自分の関心と強みを掛け算できる領域だったことも大きいですね。
――イチグウのミッション・ビジョン・バリューや、社名に込めた意味を教えてください。
ミッションとして「人的資本の最適化を起点に、顧客の成長を加速させる。」、ビジョンとして「顧客と共に創造する」を掲げています。
バリューは次の3つ。
偶然=チャンス:偶然は最高のチャンスだと捉え、そのチャンスを全力で掴みに行く。
このバリューと紐づくのですが、イチグウという社名には、「ひとつの偶然(偶然を偶然という一言で終わらせない)」「ひとつの出遇い(一つ一つの出遇いの連続に感謝する)」「ひとつの隅(誰もが見逃しがちなところを大切にする)」という3つの意味が込められています。
ミッションの「人的資本の最適化を起点に」は、我々の支援は外から応急処置をするような支援ではなく、顧客の中に入り込み、コンサルティングを通した採用支援をしていることと関係しています。人事の組織戦略にも介在しながら採用支援をしていきたいという想いがあったので、「人的資本の最適化」をベースにしました。そして、それが顧客の事業拡大や売上アップにもつながると考えています。
「顧客と共に創造する」というビジョンの背景には、「顧客の成長なくして我々への発注や継続的な付き合いは生まれない」という考えがあります。
人材ビジネスはまったく新しい価値を提供するというよりも、“黒子”として企業と求職者をマッチングさせる仕事ですが、世の中を変えるビジネスを展開する企業を支援することで、世の中を変えることにつながるビジネスだと考えています。顧客とともに新たな価値観を創造するという意味合いで、「顧客と共に創造する」をビジョンにしました。
あえて資金調達をせず、地に足のついたビジネスを
――イチグウの企業風土の特徴やカルチャーについて教えてください。
よく言っているのは「当社はキラキラした組織ではありません」ということです。ベンチャー企業というと、資金調達をしてきれいなオフィスを構えているイメージがあるかもしれませんが、当社はあえてエクイティファイナンスはせずに、デッドファイナンスだけで着実にやっていこうと決めています。
なぜかと言うと、採用支援というビジネスにおいて一番向き合うべきは顧客だからです。株主の意見を取り入れようとすると、中長期的にどこかで限界がくると考えたので、こと人材ビジネスにおいては資金調達をすべきではないという判断を下しました。
だから、キラキラしたベンチャー感を打ち出せないし、打ち出すつもりもありません。地に足をつけて泥臭くやっているので、地に足をつけて着実にキャリアを歩んでいきたいと考えるメンバーが揃っていますね。イチグウのメンバーは、人からどう思われるのかを気にすることなく、自分の考えをしっかり持っていて、それを表明できる人が多いと感じます。
――社内の雰囲気はどのような感じですか?
フルリモートなので雰囲気と言われると非常に難しいのですが、当社は正社員だけでなくフリーランスにも協力いただき事業を推進しています。そのため会ったことのない人といきなりコミュニケーションをとることもよくあるのですが、意見は言いやすい環境はあるのではないかと感じています。
基本的にはSlackで連絡を取り合い、必要であればオンラインでコミュニケーションを取っています。私の知らないところでオンラインで話し合っていることもあります。
「外部人事役」として顧客の中に深く入り込む
――顧客とはどのような関係性を築いているのでしょうか?
「外部人事役」のようなポジションなので、契約しているのがスカウト配信代行や日程調整代行、採用広報であっても、採用戦略全般に関する相談をカジュアルにいただくような関係性を築けています。
顧客の中に深く入り込んでいて、ときにはイチグウのメンバーが経営会議に出席することもあるほどです。人材紹介でも求人広告でも、そういったポジションを取れることはなかなかないので、イチグウらしさを発揮できている結果ではないでしょうか。